航空事始 不忍池滑空記
村岡正明著 光人社NF社
明治末、3人の男たち(田中館愛橘、相原四郎、ル・プリウール)が日本初の滑空飛行挑戦から成功までと当時の新聞報道から軍や世間の飛行機に対する概念と思惑がよくわかります。
後半は3人のその後、プリウール帰国、相原四郎ドイツ派遣と飛行機の関わりを時代背景、各国の状況を交え飛行機発達の早さをつづります。
読書感:飛行機が力学、工学の純粋な興味、探求の世界から工業、産業へと移るとき、発明・製作者が思いもよらぬ事や概念が、利用者や世間・報道者によって作り上げられてしまう事が興味深いです。
現在の原子力やバイオテクノロジーでも似たようなことが起こっており、飛行機の歴史からテクノロジーの進歩と報道、政治の関わり方、情報の伝え方など学ぶべきものがあると感じました。