空飛ぶ納豆菌 黄砂に乗る微生物たち

岩坂泰信著 PHPサイエンス・ワールド新書
Chinadustmovie

地球規模で移動する黄砂(China dust movie)NASA。
出典Wikipediaパブリックドメイン

最近気になるニュースの一つ、中国で深刻な大気汚染の原因になっている「PM2.5」。空にはもちろん遮る物が無いため日本にも飛来し、花粉用マスクでは通過してしまうなど、新聞、ニュースなどで取り上げられ注意を呼びかける報道がたびたび聞かれます。

4月の初め頃、我が家付近にもはっきり解るほど大量の黄砂が飛んでいました。又、日中韓の環境相会談のニュースは記憶に新しいことです。もっと詳しく知りたいと思い図書館で探したところ目についたのがこの本です。

 

内容はまさにぴったり、気体に浮遊する微量な粒子の事を「大気エアロゾル」と言い、主に日本に飛来するエアロゾルの観測方法、発生源の特定やどこに、どの程度、何が飛んでくるかなどが解りやすく書かれています。

特にショッキングだったのは黄砂が中国の大気汚染化学物質だけでなく、カビや細菌も運んでくることです。偏西風で運ばれる黄砂は、表面積も広く、水筒、お弁当付きで微生物にとっては、格好の乗り物だったのですね。

 

ただ飛来した物質や細菌などがどのような影響を与えているかは納豆菌の事以外はまだまだ解らないと書かれており、更なる研究を進め、特に生物、人体への具体的な影響などを発表して欲しいところです。

又、ここまで解っているのならば、日本は中国に対してもっともっと「汚染物質をまき散らさないように、強く求め」、アメリカやヨーロッパなどに向けて「中国発環境汚染の実態を広く知ってもらえるように情報発信する」べきだと思います。

ぜひ皆さんにも読んで頂き、何が起こっているのか知識と危機感を持って欲しいと思います。

私のおすすめ星 ★★★★☆